大分県 梨農家 Tさん
Tさんは35年間、当社のぼかしや、アミノ酸資材を使用して頂いており、「共に進化して来た35年」と言えます。
Tさんが追及して来たのは、
「安心・安全で、食べたときに一味違う美味しさを感じてもらえる梨づくり」だと言われます。
35年前、当社社長(現・会長)から「梨を育てるためには、梨以外の作物も勉強して、植物の生理を学ぶことが大事だ」との話を聞き、ピーマン、トマト、じゃがいも、みかんなどの栽培について貪欲になって、研究されたそうです。
植物に共通して必要な要素とは何か?
なぜ、土壌づくりに、ぼかしが有効か、呼吸を楽にするために手助けとなるのはどういう工夫か、目に見えない根を観察することがいかに大事かということ等に、気づかれたそうです。
その後、梨の剪定が上手だと言われている2タイプの生産者を訪ねます。
1つは剪定がきれいで、綺麗な梨を作られる方。
もう1ヵ所はたくさんの量を作られている方。
その剪定技術を観察、吸収しながら、自分が目指す剪定を作り上げたと言われます。
剪定の結果は3年経ったら分かり、4年目から自分が描いていた量を取れるようになったそうです。
(今では、Tさんの剪定技術を学びたいと、視察に訪れる生産者の方々がいます)
試行錯誤の日々の中で、夜中や早朝に作業をしたり、今、思えば無茶なこともしたかも知れないと思われるようですが、自分の身体を使って身に付けたものは財産となり、何より面白い時間だったと笑って話されました。
35歳の時から、各地で当社職員とともに、様々な作物を栽培する若者を集めて勉強会を重ね、20年以上、続けてきたそうです。
人に話すことで自分の復習になり、勉強会の中では、みんなで知恵を出し合いながら現場で実践、検証、また実践の繰り返しがあったそうです。
各地でリーダーが育ち、安心で安全な作物が広がったことが一番の喜びだったと言われます。
学びのポイントになったのは
- 植物の生理を知り、
- 土づくりの大切さを認識し、
- 栽培の技術を日々、追及したこと
その実践を深めてきたという梨園には、昭和16年に植えられ、今でも現役としてたくさんの梨を実らせている木が7本ありました。
(「20世紀」は年間2,500~3,000の実がなるそうです)
今の若い人たちからは「決まった栽培マニュアルはないんですか?」と聞かれることがあるそうです。
しかし自然相手の栽培にマニュアルはなく、毎日、毎年が真剣勝負であり、経験と研究の日々の中に、農業の醍醐味があると伝えるそうです。
現場での気づきと、研究を重ねる学びを大事にして欲しいと願っています。
梨づくりの35年を振り返ってみると、ぼかしを導入した当時は、周りに理解してもらえないこともあったそうです。
しかし今では、その必要性をたくさんの人が理解し、使用されているそうです。
Tさんが追及している
「安心・安全で、食べたときに一味違う美味しさを感じてもらえる梨づくり」は、当社が目指しているものでもあり、その実現のために、ぼかしやアミノ酸資材が活用されていることに喜びを感じます。
最後にTさんが山本商店への願いをつぶやかれました。
「今後の農業を背負う人づくりに取り組んで欲しい」
「人づくり」と表現されたその思いを真摯に受け止め、これからも共に歩ませて頂きたいと思っています。